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株券不発行制度始まる

 これまで株式会社は、株券(株式を表象する紙切れ)を発行することを義務付けられていました。しかし、株式の流通を予定していないような小規模会社は、実際には株券を発行していないのが現状です。

 そこで、平成16年10月から、定款による株券不発行の定めができるようになり、これまで違法状態であった「株券不発行」が事後的に認められる形になりました。(平成18年5月1日施行の会社法により、株券を発行しないことが原則となりました。但し会社法前から存在する会社については、やはり下記の通り定款変更が必要です。)

 まず、あらゆる株式会社は定款により株券不発行の定めができるようになりました。株主総会の特別決議を経て、株券が無効となる日を公告通知します。

 また、譲渡制限会社(株式を譲渡するには取締役会の承認を要すると定めている会社)は、定款に定めていなくても、株主が請求しない限り株券の発行が不要となりました。但し、株主が請求すれば株券を発行しなくてはならない点で、定款で定めた「株券不発行会社」とは異なります。株券を廃止した会社にするには、譲渡制限会社であっても、定款変更により株券不発行の定めをおく必要があります。

 株式を譲渡するには株券の交付が必要ですが、株券を廃止すると、譲渡する人と譲受ける人との意思表示だけで、有効に譲渡が成立することになります。そして、会社や第三者に「株主であること」を対抗するためには、会社に備える株主名簿の名義書換が必要です。名義書換には、既に名簿に記載されている譲渡す人と、譲受ける人とが共同で申請することになります。

 今後は株券の替わりに、株式を所有していることの証明に「株主名簿記載証明書」を会社に発行してもらうことができます。もちろんここれは単に証明してくれるだけで、有価証券ではありません。

 また、上場会社の一般株主は「株式会社証券保管振替機構」いわゆる「ほふり」を利用していて、株券を実際に手にすることはほとんどないことから、やはり株券が廃止されることが決まっています。

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