「私募債」で資金調達
会社が新たに資金を調達しようとする際、その手段としてまず考えるのが
①金融機関からの借り入れ
②新株の発行
でしょう。
ところが昨今、銀行などは中小企業への融資を貸し渋り、十分な不動産担保がないと、なかなか借り入れが出来ないのが現状です。
また、新株を発行すると、新たに株主になる人の経営参加を許す事になってしまいます。
そこで「私募債」の発行を検討されてはどうでしょう。
「私募債」というのは社債の一種で、一般の社債より少額で、ごく限られた人に発行するタイプのものです。
「社債」というと、大企業が証券会社などを通じて、一般の投資家から資金を広く集める、「公募」タイプばかりをイメージしてしまいますが、社債の中には、「私募債」のように小規模の会社が少額を発行するのに適した方法もあるのです。
認知度が低いせいか、あまり活用されている例を見かけませんが、上手に使えば「金融機関からの借り入れ」「新株発行」にはない旨味があります。
<金融機関からの借入との違い>
1.月々の返済はなく、償還期に元金を一括返済する。(利息の支払方法は様々です)
2.担保が不要。
<新株発行との違い>
3.株主が増えない。
4.株とは違い元本が返ってくるため、投機的ではないので安心して協力してもらえる。
社債は、一言で言うと「借り入れ」です。ですから、発行するには、社債を引き受けてくれる人(=お金を貸してくれる人)の存在が必要です。従業員や取引先などの協力者がある場合は、うってつけです。引き受けてくれる人には、「利子」というメリットがあります。また、従業員のインセンティブ効果もねらえます。
但し、社債の発行が許されているのは株式会社のみで、有限会社では発行できません。