相続登記はいつするべきか?
不動産を所有している方が亡くなったとき、「相続登記はいつまでにしなくちゃいけないでしょうか?」というご質問をよくいただきます。
「急ぐ必要はありませんよね?」とおっしゃる方がいます。答えはYESです。売却したり担保に入れたり、他の登記をする予定がなければ、相続登記に期限は無いと考えてよいでしょう。
でも「放っておいても大丈夫ですよね?」と問われれば、NOとお答えすることになります。絶対に問題はない、とは言い切れないのです。
登記が亡くなった方の名義のままになっている場合、第三者から見ると「法定相続人が法定相続分で相続した」状態と捉えられます。もしもその法定相続人のうちの一人に債権者がいたりすると、その債権者は断りなく相続登記をして(債権者代位)、債務者である相続人の持分にだけ差押をすることもできるのです。たとえ、遺産分割協議をして別の相続人一人の名義にすることに決まっていたとしても、です。
また、話し合いで一人に相続させることが決まっていても、ちゃんと遺産分割協議書を作っていない場合に(よくある話です)、相続人の誰かが亡くなって、そのまた相続人と再度話し合いが必要になり当初の思惑通りに行かなくなる、などということも起こりえます。
ですから、法定相続分で相続する場合はともかく、遺産分割協議を行った場合は、ほどほどの時期に遺産分割協議書を作成して、登記を済まされることをお薦めしています。
尚、法定相続の場合であっても、あまりに長期間手をつけずにいると、いざという時に必要な書類が揃わないというケースもありますので、ご注意下さい。また兄弟の多い少し前の世代では、二代相続登記をしていないと、相続人が20人を超えるなどということもあり、話したこともない遠縁に連絡を取ることになったりします。こうなると結局は遺産分割協議をすることになるでしょうが、ともかく大変です。