後見人は緊急連絡先
Tさんは身寄りがなく、一人で暮らしておられます。今はとってもお元気で、その丁寧な暮らしぶりは見習うべきことばかり。でも、いつどんな緊急事態が発生するかもしれません。そして、その時のためにも後見人は存在します。
ですから、緊急事態が起こったことを、後見人は遅滞なく知る必要があります。
施設に入所している場合は、施設側に、緊急連絡先として届け出ておけばよいのですが、Tさんのような一人暮らしの場合は、そういうわけにいきません。
そこで、アパートの管理人、町内会長、婦人会会長に、後見人としての連絡先をカードに書いて、Tさんと共に持って行きました。皆さん、Tさんの事情はご存知で、こちらの意図はご理解いただきました。反対に、先方の連絡先も確認しており、 Tさんと連絡が取れない時などに、様子を見に行ってもらえるよう備えています。その際に、スムーズに話が通じるためにも、Tさんと一緒にご挨拶回りをした方が良いだろうと考えたのです。
後見人には代理権があるからといって、それだけでご本人の身上監護ができるわけではありません。周囲の方々との良好なコミュニケーションがあってこその後見事務なのです。
他にも、ご自分で救急車を呼んだ時などのために、B5サイズの緊急連絡先を玄関の目に付きやすい場所に置いていますし、Tさんがいつも持ち歩く小物入れにもカードを入れています。